車庫飛ばしで実家の住所はNG?罰金20万円以下の罰則と適法なケース

車飛ばしのアイキャッチ

「住民票が実家のままなので、車庫証明も実家の住所で取ってしまおう」「実家の駐車場が空いているから、名義だけ実家にしておけば大丈夫」。こうした相談は、車庫証明を扱う行政書士のもとにも少なくありません。

結論から言うと、実際には車を置いていない実家の住所で車庫証明を取ることは「車庫飛ばし」にあたり、虚偽の申請として20万円以下の罰金の対象になります。一方で、実際に実家で車を保管・使用しているなど、実家を車庫にしても問題ないケースもあります。

この記事では、車庫飛ばしとは何か、実家を使う場合にどこからが違法になるのか、罰則、そして進学・就職・単身赴任などで実家を離れるときの正しい手続きを、岡山で車庫証明の申請代行を行う行政書士がわかりやすく解説します。

車庫飛ばしとは?

車飛ばしとは

車庫飛ばしとは、実際に車を保管している場所とは違う場所を保管場所として車庫証明(自動車保管場所証明)を取り、自動車の登録を行うことをいいます。法律上は「虚偽の保管場所証明申請」にあたります。

車庫証明の制度は、自動車の保有者に道路以外の場所で車庫を確保させ、路上駐車をなくすためのものです。書類上の車庫と実際の車庫が違えば、制度の目的そのものが成り立たなくなるため、法律で罰則が定められています。

実家の住所を使った車庫飛ばしの典型例

  • 進学や就職で都市部に住んでいるのに、実家の住所・実家の駐車場で車庫証明を取り、車は今の住まいの近くに置いている
  • 引っ越し後も車検証の住所と車庫を実家のままにして、新しい住まいで車を使い続けている
  • 駐車場代が高い・空きがないといった理由で、実家の敷地を書類上の車庫にしている

「実家は自分の家だから」「家族の土地だから」という理由は通用しません。判断の基準は、住民票がどこにあるかではなく、車を実際にどこで保管し、どこを拠点に使っているかです。

実家を車庫にしても車庫飛ばしにならないケース・なるケース

02_実家を車庫にしても車庫飛ばしにならないケース・なるケース

実家を保管場所にすること自体が違法なのではありません。実態と書類が一致しているかどうかで判断します。

状況判断
実家に住んでいて、車も実家の敷地に置いている問題なし
実家に住んでいて、実家から2km以内の月極駐車場に置いている問題なし
自分は実家を離れたが、車は実家に置いたままで、帰省時に実家で使う実家で保管していれば問題なし
実家の住所で車庫証明を取り、車は別の都市の住まいで日常的に使っている車庫飛ばし(虚偽申請)
引っ越して車も持って行ったのに、車庫の変更手続きをしていない届出・登録の義務違反になり得る

ポイントは「車がふだん置かれている場所」と「車庫証明に書いた場所」が一致しているかどうかです。帰省のたびに実家へ車を移すといった一時的な利用ではなく、日常の保管場所で判断されます。

「使用の本拠の位置」とは|住民票と違っても正しく申請できる

03_使用の本拠の位置とは

車庫証明の申請書には「自動車の使用の本拠の位置」を書く欄があります。これは車を使う拠点のことで、警視庁の案内では、個人の場合は実際に居住しているところ、法人の場合は活動の実態がある事業所や営業所とされています。

つまり、住民票を実家に残したまま別の場所で暮らしている方は、今住んでいる場所を使用の本拠として、その近くの駐車場で車庫証明を取るのが正しい方法です。保管場所は使用の本拠から直線距離で2km以内である必要があります。

申請者の住所と使用の本拠の位置が違う場合、警察から理由を確認されることがあります。居住の実態を示すものとして、電気・ガスなどの公共料金の領収書や消印のある郵便物などが例に挙げられています。必要な書類は警察署によって扱いが異なるため、管轄の警察署でご確認ください。

車庫飛ばしの罰則

04_車庫飛ばしの罰則

車庫飛ばしや車庫に関する手続きの違反には、自動車の保管場所の確保等に関する法律(車庫法)で次の罰則が定められています。

違反の内容罰則
虚偽の保管場所証明申請(車庫飛ばし)20万円以下の罰金
保管場所の変更を届け出ない・虚偽の届出(軽自動車の虚偽届出を含む)10万円以下の罰金
道路を車庫代わりに使用する3か月以下の拘禁刑または20万円以下の罰金
道路上での長時間の駐車20万円以下の罰金

また、会社の従業員などが業務に関して違反した場合は、行為者だけでなく会社にも罰金刑が科される規定があります。

「車庫飛ばしは黙認されている」は誤解です

インターネット上では「車庫飛ばしは黙認されている」「ばれない」といった書き込みを見かけますが、法律上の扱いは明確です。車庫証明の申請時には警察による現地確認が行われることがあり、近隣の方からの情報提供などで発覚することもあります。発覚したときに困らない方法を考えるより、実態に合わせて手続きをしておくのが一番の安心です。

実家を離れる・戻るときの正しい手続き

05_実家を離れる・戻るときの正しい手続き

進学・就職・転勤・結婚などで実家を離れるとき、車をどうするかによって必要な手続きが変わります。

状況必要な手続き
車を実家に置いたまま離れる実家で保管を続けるなら手続き不要(車庫の実態は変わらないため)
車を持って行き、住民票も移す住所の変更登録(新しい車庫の車庫証明が必要)
車を持って行くが、住民票は実家のまま今の住まいを使用の本拠として車庫証明を取り、変更登録を行う(運輸支局で要確認)
住所は変わらず、車庫の場所だけ変わる保管場所の変更届出(変更後15日以内)
実家に戻り、車も実家に置く実家を使用の本拠・保管場所とする変更登録や届出

住所が変わったときの変更登録は、道路運送車両法で15日以内に申請することとされています。管轄の運輸支局が変わる場合は、ナンバープレートも変わります。住民票を移さないまま使用の本拠を変える場合の登録の扱いは、運輸支局等でご確認ください。

軽自動車・会社(法人)の場合の注意点

注意点

軽自動車の場合

軽自動車は車庫証明ではなく「保管場所の届出」が必要な地域があります。岡山県では、岡山市(旧灘崎町・旧瀬戸町・旧御津町・旧建部町を除く)と倉敷市(旧真備町・旧船穂町を除く)が届出の対象地域です。届出が必要な地域で実態と違う場所を届け出ると、虚偽届出として罰則の対象になります。

会社(法人)の場合

法人の使用の本拠は、本店の登記上の住所ではなく、その車を使う事業所・営業所など活動の実態がある場所です。支店や営業所で使う社用車は、その事業所から2km以内に保管場所を確保して申請します。

岡山で実家を車庫にする場合の手続き

07_岡山で実家を車庫にする場合の手続き
項目内容(岡山県)
申請先保管場所の位置を管轄する警察署の交通(第一)課
申請手数料(普通自動車)2,400円
保管場所の距離使用の本拠の位置から2km以内
保管場所の変更届出変更後15日以内
軽自動車の届出岡山市・倉敷市の一部のみ(手数料不要)

岡山県外に住みながら岡山の実家に車を置く場合や、逆に岡山の実家から県外へ車を持って行く場合は、どちらの住所を使用の本拠とするかを先に整理しておくと、手続きがスムーズです。

車庫飛ばしと実家に関するよくある質問

Q. 住民票は実家のままでも、今の住まいの近くで車庫証明は取れますか?

A. 取れます。今の住まいを使用の本拠として申請し、居住の実態を確認できるもの(公共料金の領収書など)を求められた場合は提示します。詳しい取扱いは管轄の警察署にご確認ください。

Q. 実家が今の住まいから2km以上離れていても、実家を車庫にできますか?

A. 車を実際に実家で保管し、実家を拠点に使っているのであれば、実家を使用の本拠・保管場所として申請できます。今の住まいで日常的に使う車を、2km以上離れた実家の住所で申請することはできません。

Q. 親名義の車を実家に置いて、帰省したときだけ自分が運転するのは車庫飛ばしですか?

A. 車が実家で保管されていて、車庫証明の保管場所と一致していれば車庫飛ばしにはあたりません。

Q. すでに実家の住所のまま車を持って来てしまっています。どうすればいいですか?

A. 今の住まいの近くで保管場所を確保し、車庫証明を取り直したうえで変更登録を行ってください。手続きの順番や必要書類がわからない場合は、行政書士にご相談ください。

Q. 車庫飛ばしはどこに通報すればいいですか?

A. 保管場所や車の使用に関する情報は、その場所を管轄する警察署が窓口になります。

まとめ|実家の住所で車庫証明を取るときのポイント

  • 実際に車を置いていない実家の住所で車庫証明を取るのは車庫飛ばし(虚偽申請)
  • 虚偽の保管場所証明申請は20万円以下の罰金
  • 判断基準は住民票ではなく、車をふだん保管・使用している場所
  • 住民票が実家のままでも、今の住まいを使用の本拠として正しく申請できる
  • 保管場所は使用の本拠から2km以内、住所変更の登録は15日以内

車庫証明は「実態に合わせて正しく申請する」ことが何より大切です。なないろ行政書士法人では、実家を離れる・戻るときの車庫証明や住所変更の登録を、書類作成から警察署・運輸支局での手続きまでまとめて代行しています。使用の本拠をどこにすべきか迷う場合も、岡山県内の手続きであればお気軽にご相談ください。

参考資料